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ブルーレイ by Yasman
2015年8月31日, 9:17 AM
Filed under: yasman

随分久しぶりにメルマガを更新してみる。
ネタはあり過ぎるほどなのだが、最近はツイッターに走ってしまいメルマガが手つかずになってしまう。
時代の流れなのだろうか。
だから内容を知っている人もいるだろうが「うん、知ってる。」という人も改めて読んでみて欲しい。

先月、4,5年ぶりぐらいにサンレコの元編集長の國崎氏から取材の依頼があった。
実は4,5年前にBDMを取材して欲しいとスシ屋でお願いをしたことがあった。
そのときあっさり「うちの雑誌は一般の人達が作れるものでしか扱えない。」と言われた。
一般の人がプロのようなことをできて初めて雑誌が売れるというスタンスらしい。
「あー、そうかよ。」だったらいいや。とそれ依頼全く音沙汰なしだった。

しかし彼はクレバーだと思う。
クールな物腰で、淡々とクレバーなことを言っているキレもので、みごとサンレコをメジャーな雑誌にした立役者だ。
こちらは理解されていない立場の取材協力者だった。
そうったいきさつもあり、正直取材なんて興味もなかった。
それで取材内容を聞くと、「まだ仮のタイトルなのだけど、(ストリーミング時代を生き抜くには)と題して、
OTOTOYの高橋健太郎さんにはハイレゾの立場で、サイデラのオノセイゲンさんにはDSDストリーミングの立場で、
僕にはブルーレイの立場で、それぞれ話を聞きたいというものだった。
まずその題材が頭に来たので、壁打ちで「やる」と答えた。
だってそうだろ、まるで「雪山で遭難したみんなが生き抜くには」的なお題で、人命救助をうたわず、
雪山に詳しい登山家とサバイバルに詳しい野宿評論家、遭難したときの健康管理のために栄養士、
それぞれ3方にアイテムについて話してもらいましょう的な記事、辞めてくれ、あまりにもメディア過ぎる。
「まずは人命救助だろ。」と。

取材は応じると言ったものの、ブルーレイの話なんてする気もなかった。
取材の日、國崎さんが来るや否や、「おれ、ブルーレイの話する気がないけど、それでもいい?」と切り出した。
まぁ、クレバーな天才だ。
ちゃんと話をまとめるだろうなと思いつつ。
「わかりました。」とクールな表情で、話を聞いてくれた。
インタビューの内容は8割が業界についての話で
ブルーレイについてはやっていることの機能について説明しただけだったが、さすが國崎氏しっかりまとめあげてきた。
まぁ面白い記事になったので、みんなにも読んでもらいたい。
サンレコのWEB掲載の記事だが、いまのところ1番読まれている記事になっている。
高橋さんとオノさんは、先については一切話をしない。
いま現在の対比でしかない。
大切なのは我々がどのようにしていくかであって、A,Bどちらがいいですかではないと思う。
あと時間がないから音楽聴けないとかわけのわからない持論を持ち出すのは辞めて欲しい。
聴いてないなら作るなと言いたい。
だから先について書いた記事は何等かの形で、興味を持って読まれているのだろう。
取材を終えて國崎さんが最後に「やっとどうしてブルーレイなのかわかりました。」と話をした。
「それ4年前にわかっててよ。」と言った。
しかし機能のことしか話さなかったし、祖堅くんの話もネタだったのによくまとめたと思う。

是非読んでもらいたい。
読んで共感を得てもらえたら、メルマガの先も読んでほしい。
メーカーの人達はメディアがないと生き残れないと思っているはずだ。

記事のリンク

http://rittor-music.jp/sound/column/streaming_alter/44344

おかげ様で、FF14「Before the Fall」は、オリコンのデイリー1位を獲得した。
2万ほどしかすれなかったので、ウィークリーはさすがに無理だと思う。
ゲームの続編作のサントラはそこまで受注が来ないのだ。
HMVなどは2人の手で足りるぐらいの発注だった。
でもこれでブルーレイだけでも1位が取れると思われたと思う。
「えっ、オリコンの総合に入るの?」と驚いた人はいるのかもしれない。

記事の補足をしたいと思う。
ブルーレイの話を盛り込んでくれたので、長かった「人命救助の話」が半分になってしまった。
最初に来た原稿は國崎さんが僕のことを考えてか「牙」のない文書になっていたので、思いっ切り「牙」を足した。

ただこの記事を読んでしまうとBDMってサントラやアニメ向きという印象を与える。
これはBDMの一例でしかないことを頭に叩き込んで欲しい。
どういったものを作るかはアーティストの制作側に託されているのだ。
だから僕たちは「こういうものは作れるのか?」という声が聞きたい。
そんなことを言う人もいなければ、考える人もいない。
ツイッターでは言っているように、いまはCDリリースを基盤に活動しているわけではない。
ジャンルによって、もっといえばアーティストによって活動の軸としているところが違う。
だからその軸を基準にしてアーティストのプロダクトを発信していかなければいけない。
あるアイドルであれば握手会やプロマイドであったりするだろうし、グッズかもしれない。
ハンドであればライブだったり、ファンとの交流会だったりするだろう。
それら軸から派生するプロダクトを出していくことが大切なのではないかと思う。
FFはもちろんゲームプレイが軸になっている。
だから映像もゲームをした人が回想できる映像を貼っているし、プレイリストなども工夫を凝らしている。
ただ単に素材を貼り付けているわけではない。

そしてブルーレイ付きCDなんて品は絶対に作らないで欲しい。
1枚で事が足りているのに「なぜ2枚?」
製造コストを下げろと言われているのに「なぜ2枚?」
CDなんて自ら聞いてもいないのに付けようとする。
ならば1枚で軸となることをしっかり埋めこんだ
ファンのためのディスクを仕上げたほうが絶対にセールスにつながる。
それはFFで証明済みだ。
ゲームサントラだ、売れても3000枚のものを4万まで売れるようにしたのだ。
アーティストものであれば、その相乗効果は驚くほどだろう。

あとブルーレイで特別な機能をつけるとすべてのプレーヤーでかかるかどうかチェックが必要だとか言われる人がいる。
(まぁ、団塊ジュニアが面倒だから、エクスキューズしているだけだと思うが)
確かにどのプレーヤーでかかるかかからないかとチェックする必要がある。
でも基本的にはブルーレイフォーマットの範囲で作られたブルーレイはすべてのプレーヤーで再生されなければならない。
だからソフトが悪いわけではなくプレーヤー側に問題があるのだ。
そのために何か特別な機能を付けた場合はロビンという機構に出して、
再生問題をハードのほうで共有してもらう構造になっている。
だからハリウッドが基盤になっているソフトは強いのだ。
これはUHD-BDにもつながっていく。
そうブルーレイは先のフォーマットがすでに決まっているのだ、
だからブルーレイを仮に音楽フォーマットにしてもあと30年は続けられる。
いまブルーレイの音楽ものを出しても7年後にはUHD盤の再販ができるのだ。
音楽業界はそうやって大きくなっていく。

あといまキングさんのほうで2タイトルBDMが進行している。
特記すべきところは若い制作者の目のギラギラ感だ。
自分が作りたいものを作る。
コンシューマーに手に取ってもらうものを作れる若い世代の気持ちの高ぶりが
またこの年齢になって感じられるのはとてもうれしい。

バーニー・グランドマン・マスタリング
前田康二

つづく



あけましておめでとうございます by Yasman
2015年3月23日, 8:08 AM
Filed under: yasman

あけましておめでとうございます。 新年を迎えてしまいました。
これは年末に書いたものです。

年の瀬になってしもうた。 メルマガなるものもずっーとさぼっている。 今回は今年の整理ということで、書きました。 ツイターなるものを始めて、いまや人が読む時間は140字を読み切る数十秒しかないのだろうと思っている。 だから時代とともに表現を変える必要性があるのだろうな。 ツイターでブログ更新とかリンクがあるが絶対にクリックしたりしない。 みんなクリックするのかな。

2014年はとんでもない年だった。 今年もいろいろ種まきをしたので、2015年に実ることを期待したい。
さすがに今年は入院をするということなかったが、台風の日に自転車でガードレールに激突したのは痛かった。 そういう時必ず思うのだ、「悪いことせず、真面目にこんな時間まで働いて、なぜだ」と。
この時はずぶ濡れで、アスファルトに横這いに顔を押さえながら、「なぜ」と叫んどった! はっきり言って仕事とモンハンしかしていない。 音楽や映画を見ることは一種仕事なので、そんな生活だ。

そして去年決めた今年スローにしようということもやってきた。 あまり外に出過ぎると頭に血が上って血管切れるなと思ったから、外にアプローチすることを辞めた。 それでも血管が切れそうになることが沢山あった。 そしていままでどうしても怖くてできなかったことを今年実行した。 それはこれから10年先、自分一人でやっているかもしれないという思いから、センジョーホールディングスの逆を行く「ワン・オペ」でできるようにすることだ。
それと同時にアシスタントを独り立ちさせたいという思いもあった。 僕のアシスタントの山崎はここにきて8年半になる、
すでに立派に始めていてよい時期だ。 それは2年ぐらい前から考えていた。 ただそのときは「怖く」て、なかなか思い切ることができなかった。
一人で不慣れな作業をすることの危険性を拭い取ることができなかったからだ。 でも今年その危険を冒してもやるべきだと思い切った。
慎重にしているはずなのに失敗する、スタッフからは「トラップ」と呼ばれるようになった。

マフィの法則は起こるもので、十分な確認の時間がないのにマスターを上げなければならない仕事ができてしまった。 最初はそんな予定ではなかったはずなのに、「なぜ」と思い、ここは思い切って断ったほうが良いと考えたが、納期まで数日しかないのに「できません」という無情さはなかった。
結果、誤った商品が出回ってしまった。 時間が無かったので、集中して聴けるよう差し替えた曲の前後含め、3曲をファイルにして「これで大丈夫ですか?」確認を取ったのにも関わらずにも。
間違えたのは自分なので、責任逃れをする気はないが、こういった場合は責任の有無を書面に残すことが重要だなとつくづく感じた。 それは現場レベルのものというのではなく、上層部にどういった経過で事が起こったかを理解してもらうことが必要なのだろうと考える。 いままでにないぐらい音楽制作の現場はタイトだ。 1人の人間では到底処理できない量をこなしている、だから時間がなくなりがちでミスも起こりやすい。 そういった現状を形にすべきだと思った。 でもやはり買ってくれた人のことを考えると落ちる。 もうだめだと思うまで、細部まで誠意を尽くしてやっていきたいと思います。

そして今年は7年間やって来たことの成果か出た年でもあった。 3月末に発売したFF「A Realm Reborn」は4万枚を超えるセールスになった。 オリコンでも総合チャート10位だ。 ハイレゾで一番売れた作品だと思うし、FFの最近の作品をみても大きくセールスを伸ばした。 そうブルーレイの音楽ものはちゃんとオリコンの総合に入るのだ。 そして今月17日には新作が発売される。それは自信作になった。 年内には12,000は行きそうだ。 評判もすこぶるよい。 今回の新作はサントラのアレンジ盤で本来はサントラの5%から10%の出荷だ。でも30%にもなっている。 こういう結果が未来を明るくする。
いつかヒットするかもしれないなどの奇跡は絶対訪れたりしない。 「このご時世だから」というセリフも聞き飽きた。 何をコンシューマーが求め、それを繋げていくことができなれば、落ちるだけ、それは分かってると思う。

音展でのブルーレイオーディオも盛り上がっていたので、来年は期待してよいのではないだろうか。
そろそろみんな気づこう、DRMがフリーなWAVやDSDを販売することは、墓穴掘ることだということを。 地デジ放送でさえも10回までしかコピーできない。 コピーコントロールCDだとか言っていた人達がWAVやDSDを平気で販売する。 物事にビジョンや頑固たる理想などは存在しないのかな。
そんな上の人達に振り回される兵隊は大変だよな。

そして僕の理想を追求したのが、今回発売される「From Astral to Umbral」だ。 いやー、がんばった。
こディスクの話は市場の結果も含めて、またメルマガしてみたいと思う。

カウントダウンジャパン14/15
年末恒例の大福もちくばりをしてきた。 続く限りこのイベントにいこうと思う。
行くと駆けずり回る、一日13,000歩は歩く。 バンドをいろいろ見るというのもあるのだけど、気になるのはファンの年齢層、それはカウントダウンで手伝いをしているバイトの子も含めて、下がっているかどうかだ。
もしこれが上がって来たら「ヤバイ」と思っている。
日本のロックシーンはガラパゴスだ。 僕はガラパゴスと言われようが、アメリカのように死んだマーケットにならなくてすんでいる今はありかたく感じていたい。 またロックロックしたものが上がってくるという話をしていたアーティストもいたが、絶対にそれはない。 じきにアメリカのようになると思う。
そしてこういうイベントがあるからワンマンが入りにくくなったと言っていたが、実際にはロックから人口が減っているのだと思う。 今日、全米2014のトップ100を50位あたりから聴いていたが、バンド5つone republicとMaloon5とparamore, imagine dragonsとMagicだ。 ロックかと言われると?もつくが、バンド。 そう思うと日本はまだマーケットがある。 そこで若い子が手伝いたいと思ってくれるからこちらもやる気がでる。
今年も楽しみにしよう。



angela「宝箱と宝箱2がはいったブルーレイで聞くやつ」 by Yasman
2015年3月23日, 7:55 AM
Filed under: yasman

レコ協発表の4月売り上げが、18%落ちというニュースが入ってきた。
去年の今頃のメルマガで書いたように、CDが再生できない時が
来たようだ。

あのとき、「1、2年後には」と書いたが、その通りのようだ。
残念なことだが、もはや業界を過去のように再編成するには手遅れだ。
まとまって何かをするには、力が無くなりすぎた。

こうなると皆、自分の居場所作りに精を出す。だから、物事は個々の
利害関係に重きが置かれ、理想論どころでは無くなり、バラバラな
方向を目指して向かっていく。

だから、これからは業界全体というのではなく、個々のアーティスト
だったり、レーベルだったりが生存維持するために、音楽供給の仕方を
変えてくると思う。日本では、配信だけでは食べてはいけない。
パッケージも限界がきている。この解決策を模索することが数年続くと思う。

僕が、BDMを促進する理由の1つは、マーケットを増やし音楽業界全体を
豊かにすることだったが、たぶん叶わないだろう。BDMのようなパッケージは、
アーティストの存在感、またはレーベルの存在感を生かし、アーティストと
コンシューマーの橋渡しとなると思う。

そして、そういうパッケージの供給を理解し受け入れてくれる
コンシューマーを持つアーティストが豊かになっていくと思う。
コンシューマーが受け入れるということは、彼らがそのアーティストの
ためにライフスタイルを少し変えてよいと思ってくれることだ。

実際、これには時間がかかるし、魅力的なアイテムを供給し続けなければ
いけない。これを、アーティストも含めて制作が理解しコンシューマーに
提供していく必要がある。そんなことが可能なのはたぶん一握りの人達だろう。

「ファイナル・ファンタジー」で既に4枚のBDMを出したが、やはり理解を
得るまでに時間がかかった。最初は「なぜCDを出さないのか」と言われた。
しかし、回を追うごとに「考えたらCDを聴かないし」という言葉を
聞くようになった。

そして我々も「これでないとダメだ」という意識変化があった。それは
楽しむ側がそのパッケージをライフスタイルに組み込んでくれたからだと思う。
それが楽しいと分かると拡散し出す。

だから「FF14 A REALM REBORN」は、サントラにもかかわらず、4万を超えた
のだと思う。普通、ゲームサントラなどは売れても1万超えるか超えないかだ。
でもこれは、その4倍近い数字を達成した。次回作は、もっとたくさんの人が
ライフスタイルの変化に参加してくれると思う。

何人かの人にこの作品を見てもらったが、皆、口をそろえて「ゲームコンテンツが
あるからできる作品だよね。」と言う。その通りだと思うし、「この形は、
もはやFFのもの」だ。他の人達が真似して作ったとしても、うまくいくか
どうかわからない。むしろそのアーティスト特異な形を持つことが必要なのだと思う。

BDMをやるにあたって、テレビで音楽を聴くのかといった類のことを言われたし、
これからはウェブアプリ的な配信だろとも言われた。僕は、逆に、音楽はテレビで
聴くものだと思っている。

自分の人生を考えると、オーディオで音楽に触れるより、テレビで音楽に
触れている時間の方が余程長い。僕は「ザ・ベストテン」世代のど真ん中で、
MTV世代だ。

テレビで音楽を聴くことに、全く抵抗を感じない。ラジカセやコンポというのは
ラジオが生んだものだし、エアチェックという文化が無くなった今、そこに
意識がいくことが不思議だ。

日本人には、映像と音楽が同時に流れるということが、美空ひばりの時代から沁み
付いているのだと思う。だから、DVD付CDという特異なものも自然に受け入れられる。
欧米は、もっと音楽に対して純粋だ。

「聴く」という音楽文化がしっかりしているので、DVD付なんて全く受け入れられ
なかった。むしろ、映像なんてない、iTunesでよいのだ。日本は違う。
iTunesではなく、YouTubeだ。

欧米人に「同じCDを数枚買う」と言っても、理解してもらえない。
「パッケージが違うから」と言っても、「同じ音楽だろ」と返される。
それだけ音楽にピュアなのだ。

だから、映像がないハイレゾ配信は、SACDやDVD AUDIOのようにビジネスとして
成り立たない。日本人向きではないと思う。でも、最初にいったように、個々の
アーティストがそれぞれの吐き出し口を上手く利用して、自分の居所を作るはず
だから、ハイレゾ配信も、あるアーティストの居場所として存在していくと思う。

サブスクリプションも同じだ。もし、それが上手くいくのであれば、インターFMは
これほどまでにおしゃべりが多くならず、昔のように音楽ばかり大量に流している
だろう。

これからは、個性あるパッケージでコンシューマーとの絆を深めていく
アーティストしか生き残れないと思っている。その個性あふれるパッケージが、
5/25、発売になった。angelaの「宝箱と宝箱2がはいったブルーレイで聞くやつ」だ。

タイトルも個性的だけど、作品はもっと個性あふれている。彼らにとって、
2作目のベスト盤となる「宝箱2」CDと同時リリースのBDM盤だ。このBDM盤には、
前回のベスト「宝箱」と今回の「宝箱2」が96KHz/24bitのハイスペックで
収録されている。

ビジネス的な結果からいうと、「宝箱2」がオリコン20位、3598ポイント。
BDM盤が92位、789ポイントだった。CDの20%のシェアーをBDMが獲得したのだ。
実際のところそれだけの人がCDを買わず、BDM盤のみを購入したのかわからないが、
多分、ほとんどの人がCDとBDM盤の両方を購入したと思う。ということは、
20%近く売り上げを伸ばしたことになる。

4月には、18%全体感を落としたのに、angelaはそれを20%取り戻した。
優秀な結果だと思っている。そして、大切なことは、angelaがファンとの絆を
新しい個性的なパッケージで築いたことにある。

メンバーのKATSUさんは、最初BDM盤をやるにあたって、描いているビジョンを
共有してくれた。それは、僕も度肝を抜いた、「僕たちのBDM盤は、これ自体が
再生機だと思ってほしい」という言葉だった。

何を言っているのか、さっぱりわからなかった。「どういうこと?」と聞き返すと
説明補足してくれた。それによると、物心ついたときからジュークボックスが
家にあるといいなと思っていたらしく、ディスク自体がそういう再生機を表現して
ほしいという話だった。

自分たちの作品が詰まったジュークボックス。「なんて素敵なんだ!」と思った。
こういった自由な発想こそ、アーティストが持っているものだ。そして、
皆でディスクを確認する日、僕は別の作業があったので遅れてみんなのところに
入った。

そしたらKATSUさんの第一声が、「もう別のアイデアが浮かんじゃいました。」
だった。これこそ、アーティスト。僕が、ずっと求めていたものだ。僕は、
かれこれずっとアーティストは、CDという器に閉じ込められていると思っている。

だから、人類が宇宙に行って覚醒した「あの話」のように、アーティストも
新しい空間を得ることで意識改革が起こる。それが、まさに起こった。

そして、こういった制作過程背景を、ファンと共有していくことが大切だと思って
いるので、それに対してもう一歩踏み込んだアプローチを作り出すことが課題だと
思った。

だから、次回は何等かのアクションを宣伝担当の方々と考えたいと思う。
新しいライフスタイルを提供するには、今までのようなプロモーションでは意味を
なさない。

人が今、自分の持っているライフスタイルを崩すのがどれだけ大変なのかをよく
理解し、それに意義があるというプロモーションが必要なのだ。よくtwitterで、
CDが発売される告知をよく見る。

僕は、それが何なのか全く理解できない。それは、何故そのCDを買う必要があるのか
全くわからないからだ。必要意義を言及しているツイートを書いている人は、
全くいない。だったら、CDを買う必要などない。その音源は、その辺に落ちている。

もしくは、YouTubeに上がっているもので、満足感を達成できてしまう。
そして、作っている人達がCDを買う必要性を説明できないなら、CDなんて売れる
はずがない。

angelaがやったことは、「意義」をいろいろ説明できるのだ。それを、確実に
プロモーションに生かしていきたい。今は、どこも在庫を置いてくれないから
イニシャルが付かない。

だから、発売前の予約が必要だ。予約を取るためには、買う為の理由づけを
しっかりしなければならない。そして、BDMが今後どういったものをどう
形づけていくのか注目していてほしいと思う。

つづく



EDM by Yasman
2014年5月14日, 7:29 AM
Filed under: yasman

僕が2月に、Hollywoodに行ったときのことだ。
本社に行くと、車で移動する間中、僕はKIIS FMと
いうトップ40チャンネルを大きめの音量でずっと
聴いている。

自分がトップ40好きということもあるが、今どう
なのかをすごく理解できるので、この習慣がやめ
られない。

まずは、予約したクラスの車を選ぶ。基本的には
アメ車を選択する。日本車だと、オーディオが
しょぼい気がしてしまうので、ここはアメリカ産。

そして、チューニングを合わせて、EQなどを確認
して、自分の好みに合わせる。日本では、絶対に
味わえない低域と空間を感じることができる。

今回は、EDM祭りのようなシーケンスだった。
ずっと、EDM。これほどまでにアメリカはEDMなのか
と実感させられた。

これだけ流れているとアーティストにもエンジニア
にも影響するだろうなと思った。曲作りや音作りに
表れているのだろうと感じた。

そもそも、LAに来たのはそれを感じるためだった
ので、ほっとしたのと同時に、これをもっと感じて
いたいと思った。その時に、4月のNAB行きを決めた。

多分もっと理解できるだろうし、また変わっている
かもしれない。アメリカは車社会で、特にLAは
車なにしはどこにも行けない。

その間はラジオを聴いていることが多いので、
それが生活に与える影響は大きい。そして、ヘビー
ローテーションとい言葉の意味が日本とは違って
洗脳のようにかかりまくる。

とにかく1時間に何回も聴く。1日の終わりには頭に
残る。それが毎日だと自然に染み込む。それが
モノづくりに影響することは自然なことだと思う。

だから、自分も染み込ませて邦楽と交わりたいと
思う。僕は、せっかく日本にいるのだから、今の
日本の感じと、身体に溶け込んだ感じを上手く
調和させて仕上げるように努力したい。

そう思いながら成田に着き、そのままスタジオに
行き、シングルを仕上げた。やはり少し行き過ぎ
たようで、後日やり直しを喰らってしまったが、
結果、オリコン9位に入る。

彼らにとってヒット作となった。サウンドに何か
あったからヒットしたとは思っていない。売れる
ときはすべての要因が一つになる必要がある。

セッションでの会話や、やり直したことによる会話、
そこから導かれるマンパワーがプロモーションの
力を生み、そのヒットの要因になると思っている。

僕は、いつもマスタリングの必要性は商品を作って
いるという輪が出来上がることだと思っている。

制作者全員が商品のという作品から生まれた形を
意識することが大切だと理解している。作品で
終わらせるならば、マスタリングなんていらない。
商品としてのワクワクが、なければならない。

そして、また意識を高めるためにNABに出発した。
NABは、ラスベガスで開かれる一番大きな放送機器
展だ。

10万人以上が訪れるこの展示会には、新しい製品や
ソフト技術が発表される。今年は、より各社が
棲み分けを無くし、いろいろな分野に製品を持って
来た感じに受け取れた。

いまや、Black Magicは、SD/HD用のカードを売って
いる会社ではなく、4KカメラからDa Vinchといった
映像編集カラコレソフトまでを扱う会社になった。

レンタルサーバも多くブースを作り、AKAMAIや
AMAZONといった、今までブースも持つことがなかった
会社が出展していた。

AVIDは、AVID everywhereというコンセプトを持って
cloud化を一気に進めた。そして、media composerと
PROTOOLSをより身近なものにし、作業効率の活性化を
強調していた。

中でも、Will Fileのパネルは興味深かった。
JJ.エイプラムスのサウンドデザイナーとして活躍する
彼は、AVID Cloudをこのように語っていた。

「Avid Cloudがないと、JJとの仕事は進まない。」
僕は、Avidの宣伝マンではないので、Avid Cloudは
どうでもよいのだが、仕事の進め方は素晴らしいと
思ったし、多分、映像のサウンドクリエイトという
意味では、日本は太刀打ちできないだろう。

「まずJJから、ここを直したいというアイデアを
電話でもらう。そして、それに携わる僕のチームが
一斉にCloud上のファイルにアクセスして作業する。
僕はたまに音楽のミキシングもするが、大抵は
みんなが作業したのをまとめていく。」

「そして出来上がったら、すぐJJに電話を入れ、
確認してもらう。彼は忙しい。それでも沢山の
アイデアを出してくる。それがスムーズに対応できな
いとアイデアが忙しさに埋もれて死んでしまうんだ。」

スゴイ。アメリカの映画の音響は、いまやそう
やって作られているのか。だから、あのクオリティが
出来上がるのかと感心した。

音楽が、Avid Cloudを使うときは来るのだろうか。
いま実際に、ライブのミックスが終わるのを待って
いる状態だ。

こんな時に、Cloudがあれば、同時にマスタリングが
できるのにと思ったりする。コストが見合えば、
これから新しい扉を開くことになるかもしれない。

そして、ラスベガスは大きく変化していた。昔は、
カジノとショーと派手なホテルが立ち並び、もっぱら
それを楽しむ人達と観光客で盛り上がっていた。

それが、いまやどうだ。EDMだ。どのホテルも、EDM
ルームを持ち、有名なDJを呼んでいる。MGMや、Wynn、
Mandalay Bayといった有名どころは、David Guettaや、
Calvin Harris, Avicii といったDJが毎日のように
回している。

イリュージュンで有名なディビット・カッパーフィー
ルドが、とても大きいビルボードをMGMのホテルに
かかげるが、これと同じサイズのCalvin Harrisの
ビルボードが並ぶ。

こういった人達が、普通にプールサイドで昼間に回し、
夜はEDMのクラブルームで回すのだ。そこに、若い
人達が集まりパーティーが開かれ、カジノをして、
部屋に泊まる。お金が回る。

エンテーティメントのビジネスモデルが出来上がって
いた。こうやってお金が動きだすと、そこに投資する
人が現れて、よりヒットを作り出す。

これは、これからもっと形を変えてムーブメントと
して流れていくと思う。日本では、EDMは流行らないとか
通り過ぎるという人がいるが、僕はそんなことはない
と思っている。

音楽が流行る、ヒットするというのは曲や音楽性だけの
話ではない。そこにビジネスといった、お金が
循環するシステムが組み込まれないと始まらない。

そのビジネスモデルが出来上がるまでにあと1,2年は
要するだろうと思う。そして驚く世界感が広がる。
なかには、EDMは終わったという人もいるが、いったい
何を聴いてそう思うのだろうか。不思議だ。

これから何回「SUMMER」聴くのだろうか。



ご心配をおかけしました by Yasman
2014年4月16日, 6:20 AM
Filed under: yasman

前回送ったメルマガで、また倒れたと思った人も
多かったみたいで、ご心配をおかけしました。

あれは去年の4月の話で、いろいろと話題が多く、
送れていなかったメルマガの内容を一気に送って
しまいました。ややこしかったみたいで、
すみません。

だが、実際に年末にかけてメルマガが送れないほど
多忙、そしてモンハン4をやり始めて、そしたら
グランツーまで発売されて仕事とゲーム三昧の日々
になった。

やばいなと思っていた。特に、グランツーはやば
かった。本当にリアル過ぎて「気持ちがいい」。
反面、三半規管に影響する部分が多かった。

タイヤが地面に吸い付く感覚などは、あり得ないs
ぐらい気持ちが良い。だから、微妙なハンドルに
車体か反応する。

それを視覚でとらえ判断していくうちに、三半に
負担がかかり酔ってくる。多分、過労も影響して
いたのだろう。

いつもであれば、ここまで酔ったりはしない。
「働き過ぎだな」と思いながらいた時に、事は
起こった。

自律神経がイカれてしまった。どうなるかというと、
耳鳴りがして、難聴になる。世間でいう「突発性難聴」
だ。

僕の場合は、自立神経だとわかっているので、
「ストレス」を無くし、「癒やす」しかない。

これを直すには、1週間ぐらいかかる。今回は逝って
しまったので、「もう少し掛かるかな」と思った。
いつもは「やばいかな」と思ったら、アメリカに
逃げていた。でも、今回は多忙もあって行くタイミングを
逃してしまった。

4月に脳梗塞を起こしたこともあり、飛行機に乗るのが
少し怖かったこともある。まぁ、右耳はしっかりして
いるので、何とか仕事はこなせる。

でも万全ではないので、休み休み仕事した。ゲームを
自粛して、読みたい本もあったので、ゆっくりと読んで
いくことにした。

今年は、働き過ぎずスローなペースでやっていこうと
心に決めた。

正月で休みか取れたこともあって、以前のような耳鳴りは
しなくなったものの、若干残っているので、ここはゆっくり
時間をかけて正常な状態にしていきたいと思う。

そして、「これは休まないと!」と思ったので、2月にLAに
行くことにした。行くと決めたら、まずはライブ情報だ。

何、「STING and Paul SIMON」それは行くしかないだろう。
STINGが歌う「スカボロフェアー」は是非聴いてみたい。

グラミーでパフォーマンスするという噂もあったが、
噂だった。そして、他も探していると「IMAGINE DRAGONS」が
あるではないか。

去年の11月頃から、とにかく気になっていた。
それというのも、ヒットチャートに入っているバンドの
音の作り方が大きく変わってきたからだ。

王道といわれている感じは全くなく、その人達が聞くと
「これバンドかよ」と言いたくなるだろうと思うサウンドだ。

僕は、どうしても音楽を脳で聴いてしまう癖がある。
これを心で聴けるようにしなければいけない。そうなると、
行って感じてくるのが一番手っ取り早い。

その会場にいる興奮したオーディエンスの姿を見たら、
きっと深く理解できるだろう。自分も、そのバンドを
好きになってしまうというほうが理解しやすいかもしれない。

いつもそうなので、今回もそうすることにした。成田の
ラウンジで時間を潰していると素晴らしいニュースが入った。

「FF14 Before Meteor サウンドトラック」がDEGアワード
高音質ポップス部門を受賞した。前にも話をしたように、
この作品は僕の最高の作品だ。それが評価されて、本当に
嬉しい。

音源は、ほとんど48Kと44.1Kだ。それを96K/24bitに
アップコンバートした。アップコンバートに意味が
あるのかと言われるとアナログを通す限り意味がある。

ただ96/24を音楽に生かすという意味で、まず
キャンパスが音楽に合っているのかを判断する必要が
ある。

ものによっては、そのままの状態のほうがパンチ感を
得られるからだ。ただ、ダウンコンバートするよりは
数段価値が増す。

1986年ぐらいから3324を使い始め、それ以来ずっと
アップコンバートなのだ。そうであるならば、試す
価値があると思い、挑戦している。

もちろん最初から96/24で録音されたものと比べて
どうかと言われると、たぶん結論は、その音楽が持つ
説得力なのだと思う。

そして今回は、ゲーム音楽としてこのクォリティーを
追求したことが評価され、パッケージとして魅力的な
ものを作ったことが受賞に導いたと思っている。

制作している人達は常にあきらめては駄目だ。卑屈に
ならず、否定的にならず、持っている希望を少しでも
拓くことで次の道が切り開けるのだ。

3/26に発売される「FF14 A REALM REBORN」は受賞した
作品の続編にあたる。ここには、96/24のミックスデータも
存在する。

それは、サウンドプロデューサーがあまりに96/24が
素晴らしいので、ミックスの段階で96/24にしてみたいと
思ったからだ。

それは、ゲームの音楽制作にとっては、二度手間になる
面倒くさい作業だけど、妥協することはない出口が
見つかったのだ。

そうやって、1つ何かを変えて実感することで次の変化を
もたらす。「Before Meteor」を仕上げた段階で次の
目標を定めた。

そして、それは一歩ずつ進んでいる。恐らく、
「A REALM REBPRN」の次の作品は、本当の高音質に値する
作品になると思う。

そして、他も追従するだろう。来年度は、面白くなると思う。

ロスに着くと、相変わらず眩しい日差しが目に刺さる。
そしてレンタカーを借り、ラジオ102.7 KIIS FM
トップ40チャネルをつけて405を走りホテルに向かった。

いつもはスタジオに向かうのだけど、少し疲れたので
今回はホテルに向かった。ホテルをチェックインして
いろいろ片づけていると、いい時間になってしまったので、
スタジオは次の日にして、映画を観に行った。

僕は映画が好きなので、こっちに来ると沢山見ることに
している。やはり、ハリウッドのクォリティーはどこにも
負けない。

映画制作者が多いので、自然にクォリティーが上がる。
僕も、自分の手がけたものがちゃんと再生されていなければ
文句を言うだろう。

有名な話だが、これはジョージ・ルーカスが始めた。
彼が「インディアナ・ジョーンズ」を作り上げて、娘を
連れて市内の劇場に見に行ったら、それがあまりに酷い
状態で公開されていたことに驚いた。

それで、劇場の再生の能力を上げるために、THXという
システムを作った。これは、劇場はこう作られるべきだと
いうフォーマットをライセンス化したものだ。

スピーカー、アンプ、劇場の持つノイズレベルといった
ものを高い水準にして、サンフランシスコの劇場に
導入した。

アメリカは、VHSのレンタルのおかげで、劇場の興行成績は
過去最低を更新していた時期にTHXを導入した劇場だけが
どんどん収益を上げたのだ。

そして、それは一気に全米で広がった。自分の子供には
いい状態のものを見せたいという思いがここまでする。

そして、残念ながら日本にTHXが導入されるのは、それから
10年後の1997年、海老名のワーナーマイカルが第一号だった。

その当時、誰もTHXの劇場を設計することができなかったので、
サンフランシスコからすべて運んだらしい。そして、その
デザインしたのがうちの近くにある、ウェストパークカフェを
スタートさせた女性オーナーの旦那さんだった。

今は名前を売ってしまい、別の人が経営をしているが、
当時は、あそこに行くとシスコの感じがしたものだ。

映画は、作った人に近い環境で再生ができる唯一の芸術だ。
だから、僕なんかはより楽しいのだろう。いつかは音楽も
そういった体験を増やすことができればと思う。

どうしてハリウッドで見ると、これほどセパレーションが
よく、リアもサイドもきれいに自然な感じで分離されているのか
わからない。
サラウンドの仕事をしている人、MAさんなんかは是非体験して
欲しいと思う。

そして、次の日にはスタジオに行き、バーニーと話をした。
最近の音楽事情などを、ちょうど帰り際のエンジニアの
トニー・ヴィカリを交えて雑談した。

ハリウッドに来ると、感覚を解放してくれるものに出会う。



2週間入院 by Yasman
2013年12月26日, 12:00 AM
Filed under: yasman

「入院してみよう。」今回の入院は初期の処置がよかったこともあり、
回復が早かったので、5日目で既に全快なので入院の日々を書いてみることにした。

まじに仕事に戻った方がよいと思うが、2週間入院なので、書いてみたいと思う。

僕は、38歳のときに頸動脈解離をやっている。そのときお世話になったのが東京医科大学病院だった。家からタクシーで5分ほどなので、当時左半身が動かなかった僕はタクシーに寝間着のまま飛び乗り、医科大に向かってお世話になった。

今回も家から近いほうがなにかと便利だし、どういうルーティンが行われるか分かっているので、医科大に向かった。

前にも話をしたように、タクシーの運ちゃんが代々木八幡を理解してスタジオに飛ばしていたら事態は変わっていただろうが、幸運にも医科大に直行することができた。

タクシーの中ですでに呂律が回らないので、脳が切れたなとは思っていた。気分も優れなかったので、医科大に入ったときはしばらく受付前に座っていた。

このまま帰れないことも分かっていたので、どの段階で家内に連絡しようかなとか、スケジュールをやたら動かす必要があるなとか、エンジニアの山崎がオリコンからインタビューを受けて少しでも彼女に興味を持って仕事をしてくれる人が増えればよいなぁなどと考えながら時間を過ごした。

そして受付で「す・み・ま・せ・ん、あの、あの」というとすでに察知していたようで、「お通ししますね。すぐ先生を呼びますから。」と言われた。

緊急の場合は、最初に見てくれるのは当直の研修医だ。
呂律の回らない僕を見て、「しびれなどはありますか?」などの
質問をした、そしてCTを撮りましょうとCTに回してくれた。

大抵の場合血管が破れて出血していないかぎり、梗塞の初期の段階ではCTには写らない。以前はこれで家に帰らされ、次の日に身体が動かなくなった。

今回は症状に出ているので、その場でMRIも撮ってくれた。血管が詰まって梗塞が起こっている場合はMRIでないと

でもそれも初期の段階では写らないことが多い。だから、変な頭痛がすると思った人はすぐに病院に駆け込んで、CTだけではなくMRIも撮ってもらうとよい。

だから救急で運ばれるのではなく、自力で大学病院に行った方がよい。街の救急だと取れてCTだからだ。そして、一連の検査を経て、病棟から先生が下りてきてくれた。

多分、鈴木先生がすぐに入院させてくれなければ、僕の症状は変わっていただろう。彼女は僕に、計算式や記憶などの質問をして、どれほどの状態かを検診した。

最初に見た研修医は、「ご家族に連絡しますね。」といい、僕に番号を尋ねたが間違った番号を教えてしまった。というより、まともに番号など言えるはずがなかった。

そしてiPhoneを見せて家内に連絡をしてもらった次第だ。病室に移された僕は、血をサラサラにする点滴と、血圧を少し上げる点滴を施された。

厄介なのは1つ血管が詰まりだすと、そこからまた血の固まりができて、他も詰まりだすことだ。そしてどんどん梗塞が広がってしまう。

ひどい場合は血管が破れて、くも膜下になってしまう。前回は一晩おいたために梗塞が広がり、運動神経が通らなくなってしまった。

今回は、血をサラサラにして血液がこれ以上固まらないように脳の血流を良くして、梗塞ができた部分を緩和していく。これが早いか遅いかでその後の病状を左右する。

だから鈴木先生が上げてくれなければ、今はない。そして、僕の闘病生活は始まった。

そして一つの選択が誤った判断だったことに、後に気がつく。入院する際に、2人部屋がよいか6人部屋がよいかを尋ねられた。当然、2人部屋は余分にかかる。

前回は6人部屋しか空いてなく、6人部屋でなんら不自由を感じなかったので、「6人部屋で」と答えた。そして病室に移され、意識が朦朧とする中、眠りについた。

次の朝、当然気分は優れないし意識もしっかりしない中、うっすらと看護師さんの声が聞こえた。「私、ACIDMANのファンで、武道館が今度あるんですけど、チケット2次も落ちたんですよ。」と頭がぼやける中、話された。

そのほかのことはあまり記憶にない。僕は「あぁ、そうなんですか。」的なことを答えたと思う。頭の中では「いったい、何の話だろうか。きっついなぁ。」と思いながら、「多分、かみさんが職業の話を聞かれて答えたのだろう。」と思っていた。

「余計なことを」と思いながらも、「そりゃ職種とか近況とか聞かれるよな」と理解した。そして、一寝入りした後に、鈴木先生がやってきて「ご気分はいかがですか?検診を行いますね。」と言われ、一連の検診をしてくれた。

その日のことは大して覚えていない。ただ、向かいのベッドは空いていた。向かって右は老人で、左は若い感じの人だった。そして、右隣は苦しそうで、左も痛がっていた。

とにかく、まだ頭が腫れている感じがするので、眠りたい。「ここは動かず、じっと身体が回復していくのを待とう。」

そして次の日、斜め右の人が退院を迎えた。このこと事態もあまり覚えていない。どういう老人で、どういった状態だったのか。

お昼すぎに、ナースステーションから声があがった。「お久しぶりです。出戻りですね。」そして、その方は僕の向かいのベッドに入った。これが、これから僕が体験する大変な生活サイクルの始まりだった。

向かいの80前後の方は演歌歌手のようだ。見たことはないので、ローカルかインディーの歌手なのかもれない。5/2のリサイタルをキャンセルしたといっていたので、現役なのだろう。

今回は、肝臓を患って入院したようだ。そして、問題の夜を迎えた。消灯は10時だ。棟の電気が一斉に消され、ナースステーションだけが少し明るい状態になる。

そしてものの3分としないうちにとんでもないイビキが響きだした。さすが歌手。そんなことは言っていられない。「なんだこれは。」寝られるわけもなく、厳しい境遇を迫られた。

うーん、2人部屋にしておけばよかったと思ってもあとの祭りだ。ここは寝る時間をずらすしかない。食事が終わったらすぐ寝て、夜は起きておくことにした。

食事は6時半から始まるので、8時前には寝られるから消灯まで3時間寝ることに決めた。それから朝まで起きて、朝から10時頃まで寝ることにした。

そして師長さんの配慮もあり、食事の電気をつけ、そこに居させてくれることになった。それから退院まで、日々そういう時間帯を繰り返した。

夜の食堂には、人っ子一人いないのでよく集中でき、メルマガやここ10年手つかずにいた、「ワークオーダー」のデータベースプログラム(請求書を発行するプログラムを、スタジオをスタートする時に作った。)の見直しなど、いろいろできた。

倒れた僕が言えることではないですが、お身体を大切に。
と言っている僕が、できていない。次回につづく。

今年は本当に自分の目標が達成できた年だった。5年前、依田さんに「Blu-ray Musicで失敗したらどうする?」と訊かれ、「腹を切ります。」と答えた。

これは、自分の命に代えてもやり遂げようと思っている。そして、自分の考えているものを作り、多くのファンが指示してくれた。

僕の創造的10年は5年が経過した。まだ、風は吹いている。来年が楽しみだ。



LADY GAGA by Yasman
2013年12月25日, 12:00 AM
Filed under: yasman

あまりの忙しさにメルマガを出すのも忘れていたら、この間あるクライアントさんに、「最近、メルマガ来ないね。」と言われ、出していないと気がついた。

年の瀬なので、出そうと思って出していなかったものをまとめて送ります。話題は前後しますが、ご理解をお願いします。

今年の1月に本社に行った時に、LADY GAGAのコンサートに行った。完全に舐めていた。それほどファンではないので、STALES CENTERの安い上の席で観賞したのだけれど、圧巻だった。

会場は、ゲイパーティーさながらで、沢山のゲイに指示されている彼女の力強さやメッセージの意味、彼らの心を虜にする声と、歌詞、まるで「les miserable」を観た時と同じような衝撃だった。

音楽のメッセージの力強さを、彼女は自身で身をもって表現している。Mother Fuckerという言葉と一緒に「5年前はニューヨークでウェイトレスをしていたわ。いま貴方たちのおかげで、ここにいるの。私は女でも男でも、人間でもない。アメリカが作り出したものなの。」と自由を叫ぶ。

「自分自身になりなさい。」と叫ぶ。それはどんな教祖よりも力強く、オバマより説得力があるだろう。セットも、パフォーミングも、圧倒的でありながら、フレンドリーである。ファンとの距離感を感じさせない存在は、それほどいない。

会場の外では、Free Hugのような催しで賑わい、会場に入るとホールへの踊り場通路でSAMSUNGとNOKIAのタイアップで、携帯番号を登録させて写真撮影を行う催しをしていた。

そこには、本当に奇抜なコスプレをした人達が列をなしていた。「すげぇなぁ、こりゃ。」と驚いた。当然、僕も男一人で来ているので、他人からみれば間違いなくASIAN GAYなわけで、少しナヨナヨ歩いてみたわけではない。

前座が終わり、GAGAさまの登場になるやいなや、3席隣りのGAYくんが上半身を脱ぎはじめホットパンツ一丁になった。「何故、脱ぐ!? 君の乳首がライトに反射して、変。」

幸い、僕の隣は女性2人だった。そして馬にまたがり登場したGAGA。場内は割れんばかりだった。(模型やセットではなく本当の馬です。)

自分のストーリーのMCをする途中、一人のパネルを持った女性に目がいったらしい。そこで、「あなた誕生日なの?20? あっ、21なの? だったら、今日はシコタマ飲めるわね。」と叫んだ。

そして突然、Happy Birthdayを歌いだした。そして最後に、パネルにある彼女の名前、ア・・ンジェ・リーカーと目を細めパネルを見つめ歌い上げた。

その間、バックダンサーは仁王立ちだ。これには少しうけた。そして、コンサートも半ば、GAGAが携帯電話を持ち出しおもむろにダイアルを回した。

すると、会場から着信音が鳴り響いた。そうさっき撮影で登録された番号にダイアルしたのだ。「Hello」という声に会場はワーという歓声に変わる。

「Oh my god!Oh my god!」と震えた声が響きわたる。「横にいるのはあなたの彼女?」と言う問いに、「フィアンセ。今度結婚するんだ。」と話し返した。

「だったら祝ってあげるから、あとで楽屋に来なさい。」と一言。会場は、騒音に化した。すごい演出だ。こういったことが、よりファンとの距離を縮めていく。

そしてコンサートはアンコールを迎えた。ロスは皆、車で会場まで来ている。当然、帰りは交通渋滞が避けられず、駐車場を出るのに何時間も待たされることがある。

それを嫌う人達はアンコールが始まると席を後にしてしまう。僕の隣の女性達も席を立ってしまった。僕と裸くんとの間には空席があるだけ。

しかも、僕は1人で来たASIAN GAYになっている。アンコールの曲が始まるとなぜか裸くんが僕の肩を借り出した。そして僕の難しい表情に気がついた彼の連れが、彼を引っ張ってくれた。

ゲイの嫉妬か? 深いことは考えまい。ライブが終わるやいなや、そそくさと会場をあとにする僕だった。



宮崎駿 by Yasman
2013年9月3日, 12:00 AM
Filed under: yasman

Blu-ray Disc Music「Before Meteor:FINAL FANTASY XIV 」は結果、ウィークリーチャート11位になった。もし途中で売り切れていなければ、10位以内の可能性もあったと思う。それでも、CDでないものが20年ぶりにアルバムチャートに入ったのだ。

スクエニさんの努力とチャレンジに感謝したい。今も「CDでも出して欲しい」という声は聞こえてこない。分かっていないのは、我々の方なのだ。今回、唯一「CDを付けて欲しい」といったのは店舗のある小売りだった。スクエニさんは「意味ないでしょう。」と一蹴したという。

さて、この間の続きです。ワンダーステーションの浜田さんから「アナログテープありますか?」と電話があった。「どうしたのですか?」と聞くと、宮崎駿さんが時代背景的にモノラル、しかもアナログで録りたいと言っているのでと言われ、驚いた。

ちなみに僕はバーニー・グランドマン・マスタリングという名前の下で個人的にATRアナログテープも輸入販売している。良いものは未来に残さないといけない。そういう思いで始めたプロジェクトだ。

モノラルの映画。センタースピーカーしか使わない映画なんて、それを聞いただけで、ぞわっと鳥肌が立った。驚く限りのクリエイティビティだと思った。調べたところ、御年72才ではないか。

何故だろう。どうして音楽業界ではこういった発想ができなくなってしまったのだろう。僕は、「サントラはどうなるのだろう。」「BDなどのパッケージはどうなるのだろうか。」と興奮した。 

サントラは聞いていないが、ステレオらしい。パッケージについては、まだ告知はない。

映画を初日に観に行ったうちのスタッフに聞くと「盛り上がりに欠けました。」と感想が返ってきた。それは、そうだろう。空を飛んでいるものが、真ん中で音がするのだから、と思った。

そんな予備知識がないから(それがどういった意味なのか)、余計に感性を揺さぶり感情を心に刻める。その感想を聞いて、僕はどきどきした。「早く観たい。」そして、深夜の時間帯に観に行った。

予告が始まる。大抵の予告はサラウンドなので、音場の広がりなどを聞いていた。モノラルになると、しょぼく感じるのだろうか。そして、本編がスタートした。 

最初は、台詞と効果音だけで音楽は重ならない。そして、音楽が重なり出して、度肝を抜かれた。「なんだ、この位相の良さは。」通常、僕たちが知っているモノはLとRから同じものが出るモノだ。 

1つのスピーカーから出るモノなど普通は聴けない。LとRを使うので部屋の状態で位相誤差が生じる。以前、エンジニアの牧野さんに「森川さんがビートルズを聴くのに、どうすればいいかと訊かれてる」と言われたことがある。僕はすかさず「蓄音機がいいです。」と答えた。 

一般家庭でモノのセッティングをするのは大変だ。ならば、蓄音機1台の方が良い。そんなことを思い出しながら、「すげー」と心に叫びながら本編に没頭した。

失礼な言い方だと思うが、僕は「72才のマスターベーション」と呼ばせてもらっている。それぐらい素晴らしい作品だ。事細かいクリエイティビティには、涙が出た。 

台詞の一つ一つに意味があり、共感してしまった。そう思っているうちに、これは堀越二郎ではなく、宮崎駿さん自身ではないのかと思えてきた。カプローニはウォルト・ディズニーで、「大切なのは、センスだ。」と彼に話をする。

太陽の王子ホルスを描いたとき、同じことを思っただろうと思った。セル画を何枚も描く中、白雪姫やシンデレラに勝てるのかと。まぁ、実際そんなことかどうか分からないが、「創造的人生の持ち時間は10年」という響きにドッキリしてしまう。

この意味が分かる人とそうでない人は見方が変わるだろうなと思った。 音楽BDを5年で11位にした。あと5年でできるか?と自問した。中でも号泣させられたのは、黒川さんが堀越チームの会議の勢いを見て「感動しました。」と服部さんと会話するシーンだ。ジーンときた。

昔はそうだったよな。皆、切磋琢磨していた。堀越二郎が何を美しいと思ったのかが気になって、1/32の零戦を二機買ってしまった。 九試単座戦闘機を作ろうと思ったけど売り切れで、初期の零戦二一型を作ることにした。 

作っていくうちに、そのフォルムの美しさに驚いた。鯖の骨ではない。どちらかと言えば「イルカ」に近い。ミレニアム・ファルコンやX-WINGなどを作ったが、あれでは飛ばない。やはり本物はすごい。

そして堀越二郎を感じる前にタミヤのすごさを感じてしまった。チョー、細かいよ。そして見逃してしまったことが1つあった。あの映画は、飛行機が飛んでいるのではなくて、景色が動いていたのではないだろうかと。

だったら音はずっとセンターでもいいわけだ。何かの特番で映像が流れているのを見たら、やはり景色が動いていた。参った。セルを書いている段階で、もはやモノにする気だったんだと思った。いやー、また観に行こう。 

「小人の法則」。最近、僕の中で小人の法則というのがある。この間のことだ。HMVの知り合いと食事をする機会があった。話をしているうちに彼が「ヤスマンさん、いまカラオケに行けば、トップ10のうち8つがボカロですよ。」と言った。

僕が「当たり前じゃないですか。」と言ったら、どうしてかと聞かれたので、「小人の法則です。」と話した。

ある日、大きい種族は小人と戦わないといけない日が来る。そして、小人と戦うにはその世界に入って戦わなければならない。大きい種族は自らを圧縮して小人に戦いを挑む。ただ、圧縮してしまった為に自分の力が20%になってしまった。 

そして100%の力で向かってくる小人と戦いを挑む。結果は分かるように完敗だ。そこで生まれ、存在しているものと対等に戦うこと事態間違っているのだ。だから、8つがボカロなのだと話した。 

生の声や楽器、抑揚、感動、そういったものをそぎ取ってしまうと伝わらなくなるのだ。そして結果、そこで生まれたサンプリングされたものに負けてしまう。

自分が奏でているものをしっかり伝えることをしなければ、生き残れやしない。それを疎かにしている人、マーケットがこうだからと、そこに無力なまま連れて行く人があまりに多すぎる。多分、ボカロには勝てないだろう。

カモフラージュすることで良いところにはいくとは思うが、その答えはしばらく出ない。それでも、今、実験していることがあるので、答えが出たらリポートしてみたいと思う。



4月のミーティングの話 by Yasman
2013年7月4日, 12:00 AM
Filed under: yasman

前回話をしたように、4月のミーティングの話と4/25に行われた話をしよう。某レコードメーカーのDISTRIBUTIONのCEOと話をすることができた。

これも、我が社長バーニー・グランドマンがいるから出来ることなのだが、バーニー自身も行ったことがないと言っていたので、「度々行くべきだよ。」などと話をした。

内容はBD(Blu-ray Disc) MUSICをやらないかという話だったのだか、アメリカではBD(Blu-ray Disc)の普及率が悪く、今さらフィジカルはないだろう。ただ興味深い内容なのでインプットしておくよ、日本で何か起こったら教えてくれ。という話だった。

あれこれと話をしていると、フィジカルが10数パーセント落ち込んだと話をしたので、ならば、iTunesを含むインターネットで10数パーセントの売り上げを上げているのかと聞いたら、「上げていない。」と答えた。

だったら、何故フィジカルをしっかりやらない?という疑問が湧く。 しかも、アメリカにはまだ37%のフィジカルが残っていると言っていたが、僕には既にこの37%を捨てているようにも思えた。というより、実際に捨てているのだろう。

CEOは、「今アメリカでCDを展開しているチェーンは、K-Mart, Walmart,Target の3つだ。」と話した。といっても、この3大チェーンでも、TOP40がそれも隅の方におかれ、他のCDは何も買えない。

37%のどれぐらいが新譜で、どれぐらいがカタログなのか分からないが、かなりのパーセンテージでカタログが占めているのだろうと思う。そういう人達は結局、Amazonから買っているのだ。

また、iTunesが45%あるので、Mastered for iTunesの勢いに押されている、とも話をしていた。要は、もはやアメリカはiTunesには逆らえないのだ。だから37%も捨ててしまうのだろう。

それを、「もうフィジカルではないだろう」という言葉がわからない。もう4年ほど前になるだろうか。僕に「これからは、Web Appだよ。」と話をした、どこかの技術本部長がいたが、足元が見えていない感がそれを思いださせた。

その2日ほど前にIFPIが国別の売り上げを発表したので、本来アメリカは日本の3倍市場がないとおかしいという話をしたら、ムッとしていた。今はアメリカと日本が肩を並べているが、もし今の80%を日本が保ち続けたら、2015年にはフィジカルの30%を失い、日本に抜かれてしまう。

僕は、アメリカ人は逆に音楽に純粋なんだと思う。だから、「何故、日本人やドイツ人が同じ曲を2つも欲しがるのか分からない」と話をしていた。それは僕にも説明できないから、「国民性」ということで括っておこう。

「ドイツも日本と同じように、フィジカルが売れている国だ。」と話をしていた。僕には初耳だったので、驚いた。これと平行して、とあるところからUMのヨーロッパがPURE AUDIOなる高音質BDを展開していくという情報が入っていた。

そこで、ふと思った。アメリカには少なくとも37%のフィジカルを欲している人達がいる。僕の周りを見れば、皆CDが買えないと言っている。37%といえば、200億ほどなる。日本の売り上げの5.5%にあたる。もし日本がBD MUSICを進めていけば、この200億を喰えることになる。

もし日本がやらなければ、ドイツがやるのだ。間違いなくこれに関してはドイツに先を越された。思い出してほしい。82年にCDが発売されて、僕の記憶だと86年とか87年まで普通にCDのトレーを開けば、Made in Germanyか、Made in Japanだった。

いったい、どれぐらいのCDを海外に輸出したのだろうか。要は、もう一度これができるのだ。大賀会長ができたことだ。僕たちにも、出来るはず。

当時も、アメリカなんかにマーケットなんかなかったはすだ。もしこれにドイツ人が気がついているのであれば、したたかだと思う。EUではPure Audioという、High Fidelity Audioのものを売っていく。当然コピーはできない。

僕たちにはMP3を転送できるBD MUSICがある。どう考えてもファイルが入っている方がお得感があるし、便利だ。たとえダウンロードコードがあったとしても不便だろうし、サーバーを利用するのにコストがかかり過ぎる。

しっかり取り組めば、ハードも含め、すごい利益を生むことになる。次回は、この題材を持って臨んだ、第2回BDM研究会の話をしよう。



なんつーさん by Yasman
2013年5月2日, 12:00 AM
Filed under: yasman

4月の半ばにNABに行くことにしたので、LGYankeesのなんつー(DJ No.2)さんを誘ってみた。スケジュールが合うということで、ご一緒することになった。

なんつーさんは大陸が初めてだというので、これは本人に刺激になるし、彼の創作に影響するだろうと思ったので、いい旅になると思った。

せっかくのLAとベガスなので、若い人には感じてもらいたい。アメリカと日本の音楽制作の違いまで感じたり体験したりはできないだろうが、見て、感じることで、少しでも体験の積み重ねになると感じることが大切だ。

そしてタイミングのいいことに、Staple Centerでリアーナのライブもあった。ベガスでもリアーナ公演を見ることができたのだけど、ベガスではNew Orderを観ることにしてみた。

別のジャンルと気違いじみた街の人種の溶け込みを感じられるのではないかと思った。僕は、多くを20代で経験することができた。それは今では宝だし、是非若い人たちには「こういうことなんた。」を増やしてもらいたい。

当時は金もなかったので、ベガスまではボロボロのマツダファミリアでいったものだ。サーカス・サーカスの駐車場で一晩過ごし、賭ける金もないので雰囲気を楽しんだ。カジノに一歩足を踏み入れるのも怖かった。

誰かに連れていかれることがなく、自分自身でいろいろとこなしてきた自分には、誰かのケアーをするということがすごく苦手だし、「報・連・相」を全く行わない。 自分で何故出来ないのかが分からないのだ。

どこまで、どうケアーするという、さじ加減が分からない。いまの子たちは、ポンっと放り込まれることに慣れてはいない。その分、今回はなんつーさんの人柄に助けられたと思う。なんつーさんでなければ、ギクシャクしていただろう。

そして、なんつーさんにも大きな経験になったと思うし、次回は一人で来ようと思ってもらえれば最高だ。何かのCMではないが、PRICELESSは一歩体験することから生まれる。

今でも思い出すのが、当時自分が路頭に迷ったときに、無償で手を差し伸べてくれた人たちの言葉だ。「Give and Take」が基本だと思っていた僕は、「どうしてそんなにしてくれるのか? 何も返せないです。」と尋ねたことがある。

返ってきた言葉は、「君も、若い世代にそうすればよい。それが恩返しだ。」だった。今はロスを離れてしまい、渡米する若い世代に何も出来ないが、こうして自分が経験したことを少しでも伝えられればいいなと思う。

今回、なんつーさんがどれだけ感じてくれたか分からないが、すごく楽しんでくれたと思う。リアーナのライブも最高だった。心に触れるものがあった。

全くMCもなく、どんどんと歌い続ける彼女は最後に、「Shut, I hate… this moment, to say good bye and this is last song….」なんだか、彼女らしさが伝わるよい感じだった。

アンコールでは「Stay」と「Diamonds」を歌い上げ、素晴らしいライブだった。なんつーさんも、ライブに興奮して、「うるっときました」と言っていた。

なんつーさんもせっかく来たのでスタジオも見たいだろうと思い、Larrabee Sound Studiosにスタジオツアーを頼んでおいた。タイミングがよければMannyもいるだろうし、ランチでもできるだろうと思っていた。

11時にLarrabeeに行き、マネージャーのAmyにスタジオを案内してもらった。Mannyは2時過ぎに来るらしく、あいにくランチはできそうにない。なんつーさんは、あこがれのLarrabeeだったので、興奮してスタジオの写真を撮りまくっていた。

Amyは以前、Record Plantにいたらしく、「何年頃?」と聞いたら、「95年ごろ」と言うから「じゃ、会っていたね」なんて話をしながら、スタジオめぐりをした。

ちなみに、このスタジオツアーというのは、スタジオを使いたいと思っている人がスタジオを見て回れるシステムだ。どういったアーティストで、どういった仕事をしているのかを伝えれば、たいていのスタジオは受け入れてくれるはずだ。

まぁ、音が聴けるわけではないので、なんとなく雰囲気を見る感じなのだけど、初めての人にはやはりインパクトが強いのだろう。やはりLarrabeeは、HIPHOPやR&Bにとっては聖地だ。

そして、ハリウッドの本社に移動して、いつものルーティンを過ごした。なんつーさんには、ディスクカッティングの現場などを案内した。

8日から行われているNABに合わせて、AVIDがPROTOOLS11を発表したので、10日からNABに行くのが楽しみだったが、あいにく某レコード会社のCEOとのミィーティングが入ってしまった。

飛行機の手配をすべて変えて、ホテルの手続きなども変更した。なんつーさんにどうしても先に行ってもらわないといけなくなったので、少しの不安を覚えながら、「もしホテルにチェックインできなければ、僕に電話して」と話し、なんつーさんを送り出した。

ホテルは予約を入れた人の身分証明やクレジットカードがなければ、チェックインができないのが常識だ。通常のホテルならばよいのだが、ラスベガスは予約を無くしてしまうと次の予約が取れるかわからない。

だから、大丈夫かなと思いながらいたが、案の定、なんつーさんから電話が入り「チェックイン」できないとのことだった。事情を話し、どうすればよいかを聞いて指示に従い、予約の変更をNABに行ってもらいチェックインを済ませた。

「うーん、これは普通では難しいかな。」と思いながら対応した。僕はもう一泊ロスに滞在して、思いもよらないミィーティングを経験することになる。

そして、久しぶりにベガス入りした僕は、ワクワクくんだった。当時建設中だったCOSMOPOLITANなどもできあがって、より一層、クレージーさが増していた。

ここはホテル巡りだけで、丸一日かかる。僕のお気に入りは、長年「Paris」だ。なんといっても、パンがうまい。アメリカで白米を期待することは無理だけど、美味しいパンであればありつける。

僕は結局ミィーティングのせいで、NABには行けずPROTOOLS11は見ることができなかった。64bitのファイルを持ち込まれるのはいつになるのか、どれぐらいで対応を迫られるのだろう。

未だに32bitが多いわけではないので、まだまだ先のような気もする。楽しみが無くなって、少し残念。でもベガス、まさか本物を見ることはないだろうと思っていた「new order」。

なんだか20年前に見たかった気もしたが、それはそれでよかった。ホテルの屋上に特設されたプールのあるステージでのパフォーマンスは雰囲気も違い、格別だった。

そんなふうにラスベガスを2日間過ごし、ホテルをチェックアウトして、なんつーさんとマッカラン空港まで向かった。僕は8時の飛行機だったが、なんつーさんは6時の飛行機だった。

僕は一回スケジュールを変えているので、どうせ揉めるので時間がかかるだろうなと思っていた。案の定、時間を取られてしまった。それなりに時間の余裕を持って行ったはずだった。

「なんつーさんは、ゲートを通れたかな」と思っていたら目の前になんつーさんの姿が。「げっ。」なんでいるの? なんていい人なんだろう。「なんつーさん、飛行機に間に合わないよ。急ごう。」とゲートに向かい、セキュリティーチェックを受けて、「じぁ、僕先に行きます。」と駆けていった。

幸い、マッカランの滑走路が1本しか動いていなかった為に、全便遅れるという事態になり、無事になんつーさんは飛行機に乗れたようだった。本当によかった。これも僕の「報・連・相」が少ないからか。むずかしーい。