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angela「宝箱と宝箱2がはいったブルーレイで聞くやつ」 by Yasman
2015年3月23日, 7:55 AM
Filed under: yasman

レコ協発表の4月売り上げが、18%落ちというニュースが入ってきた。
去年の今頃のメルマガで書いたように、CDが再生できない時が
来たようだ。

あのとき、「1、2年後には」と書いたが、その通りのようだ。
残念なことだが、もはや業界を過去のように再編成するには手遅れだ。
まとまって何かをするには、力が無くなりすぎた。

こうなると皆、自分の居場所作りに精を出す。だから、物事は個々の
利害関係に重きが置かれ、理想論どころでは無くなり、バラバラな
方向を目指して向かっていく。

だから、これからは業界全体というのではなく、個々のアーティスト
だったり、レーベルだったりが生存維持するために、音楽供給の仕方を
変えてくると思う。日本では、配信だけでは食べてはいけない。
パッケージも限界がきている。この解決策を模索することが数年続くと思う。

僕が、BDMを促進する理由の1つは、マーケットを増やし音楽業界全体を
豊かにすることだったが、たぶん叶わないだろう。BDMのようなパッケージは、
アーティストの存在感、またはレーベルの存在感を生かし、アーティストと
コンシューマーの橋渡しとなると思う。

そして、そういうパッケージの供給を理解し受け入れてくれる
コンシューマーを持つアーティストが豊かになっていくと思う。
コンシューマーが受け入れるということは、彼らがそのアーティストの
ためにライフスタイルを少し変えてよいと思ってくれることだ。

実際、これには時間がかかるし、魅力的なアイテムを供給し続けなければ
いけない。これを、アーティストも含めて制作が理解しコンシューマーに
提供していく必要がある。そんなことが可能なのはたぶん一握りの人達だろう。

「ファイナル・ファンタジー」で既に4枚のBDMを出したが、やはり理解を
得るまでに時間がかかった。最初は「なぜCDを出さないのか」と言われた。
しかし、回を追うごとに「考えたらCDを聴かないし」という言葉を
聞くようになった。

そして我々も「これでないとダメだ」という意識変化があった。それは
楽しむ側がそのパッケージをライフスタイルに組み込んでくれたからだと思う。
それが楽しいと分かると拡散し出す。

だから「FF14 A REALM REBORN」は、サントラにもかかわらず、4万を超えた
のだと思う。普通、ゲームサントラなどは売れても1万超えるか超えないかだ。
でもこれは、その4倍近い数字を達成した。次回作は、もっとたくさんの人が
ライフスタイルの変化に参加してくれると思う。

何人かの人にこの作品を見てもらったが、皆、口をそろえて「ゲームコンテンツが
あるからできる作品だよね。」と言う。その通りだと思うし、「この形は、
もはやFFのもの」だ。他の人達が真似して作ったとしても、うまくいくか
どうかわからない。むしろそのアーティスト特異な形を持つことが必要なのだと思う。

BDMをやるにあたって、テレビで音楽を聴くのかといった類のことを言われたし、
これからはウェブアプリ的な配信だろとも言われた。僕は、逆に、音楽はテレビで
聴くものだと思っている。

自分の人生を考えると、オーディオで音楽に触れるより、テレビで音楽に
触れている時間の方が余程長い。僕は「ザ・ベストテン」世代のど真ん中で、
MTV世代だ。

テレビで音楽を聴くことに、全く抵抗を感じない。ラジカセやコンポというのは
ラジオが生んだものだし、エアチェックという文化が無くなった今、そこに
意識がいくことが不思議だ。

日本人には、映像と音楽が同時に流れるということが、美空ひばりの時代から沁み
付いているのだと思う。だから、DVD付CDという特異なものも自然に受け入れられる。
欧米は、もっと音楽に対して純粋だ。

「聴く」という音楽文化がしっかりしているので、DVD付なんて全く受け入れられ
なかった。むしろ、映像なんてない、iTunesでよいのだ。日本は違う。
iTunesではなく、YouTubeだ。

欧米人に「同じCDを数枚買う」と言っても、理解してもらえない。
「パッケージが違うから」と言っても、「同じ音楽だろ」と返される。
それだけ音楽にピュアなのだ。

だから、映像がないハイレゾ配信は、SACDやDVD AUDIOのようにビジネスとして
成り立たない。日本人向きではないと思う。でも、最初にいったように、個々の
アーティストがそれぞれの吐き出し口を上手く利用して、自分の居所を作るはず
だから、ハイレゾ配信も、あるアーティストの居場所として存在していくと思う。

サブスクリプションも同じだ。もし、それが上手くいくのであれば、インターFMは
これほどまでにおしゃべりが多くならず、昔のように音楽ばかり大量に流している
だろう。

これからは、個性あるパッケージでコンシューマーとの絆を深めていく
アーティストしか生き残れないと思っている。その個性あふれるパッケージが、
5/25、発売になった。angelaの「宝箱と宝箱2がはいったブルーレイで聞くやつ」だ。

タイトルも個性的だけど、作品はもっと個性あふれている。彼らにとって、
2作目のベスト盤となる「宝箱2」CDと同時リリースのBDM盤だ。このBDM盤には、
前回のベスト「宝箱」と今回の「宝箱2」が96KHz/24bitのハイスペックで
収録されている。

ビジネス的な結果からいうと、「宝箱2」がオリコン20位、3598ポイント。
BDM盤が92位、789ポイントだった。CDの20%のシェアーをBDMが獲得したのだ。
実際のところそれだけの人がCDを買わず、BDM盤のみを購入したのかわからないが、
多分、ほとんどの人がCDとBDM盤の両方を購入したと思う。ということは、
20%近く売り上げを伸ばしたことになる。

4月には、18%全体感を落としたのに、angelaはそれを20%取り戻した。
優秀な結果だと思っている。そして、大切なことは、angelaがファンとの絆を
新しい個性的なパッケージで築いたことにある。

メンバーのKATSUさんは、最初BDM盤をやるにあたって、描いているビジョンを
共有してくれた。それは、僕も度肝を抜いた、「僕たちのBDM盤は、これ自体が
再生機だと思ってほしい」という言葉だった。

何を言っているのか、さっぱりわからなかった。「どういうこと?」と聞き返すと
説明補足してくれた。それによると、物心ついたときからジュークボックスが
家にあるといいなと思っていたらしく、ディスク自体がそういう再生機を表現して
ほしいという話だった。

自分たちの作品が詰まったジュークボックス。「なんて素敵なんだ!」と思った。
こういった自由な発想こそ、アーティストが持っているものだ。そして、
皆でディスクを確認する日、僕は別の作業があったので遅れてみんなのところに
入った。

そしたらKATSUさんの第一声が、「もう別のアイデアが浮かんじゃいました。」
だった。これこそ、アーティスト。僕が、ずっと求めていたものだ。僕は、
かれこれずっとアーティストは、CDという器に閉じ込められていると思っている。

だから、人類が宇宙に行って覚醒した「あの話」のように、アーティストも
新しい空間を得ることで意識改革が起こる。それが、まさに起こった。

そして、こういった制作過程背景を、ファンと共有していくことが大切だと思って
いるので、それに対してもう一歩踏み込んだアプローチを作り出すことが課題だと
思った。

だから、次回は何等かのアクションを宣伝担当の方々と考えたいと思う。
新しいライフスタイルを提供するには、今までのようなプロモーションでは意味を
なさない。

人が今、自分の持っているライフスタイルを崩すのがどれだけ大変なのかをよく
理解し、それに意義があるというプロモーションが必要なのだ。よくtwitterで、
CDが発売される告知をよく見る。

僕は、それが何なのか全く理解できない。それは、何故そのCDを買う必要があるのか
全くわからないからだ。必要意義を言及しているツイートを書いている人は、
全くいない。だったら、CDを買う必要などない。その音源は、その辺に落ちている。

もしくは、YouTubeに上がっているもので、満足感を達成できてしまう。
そして、作っている人達がCDを買う必要性を説明できないなら、CDなんて売れる
はずがない。

angelaがやったことは、「意義」をいろいろ説明できるのだ。それを、確実に
プロモーションに生かしていきたい。今は、どこも在庫を置いてくれないから
イニシャルが付かない。

だから、発売前の予約が必要だ。予約を取るためには、買う為の理由づけを
しっかりしなければならない。そして、BDMが今後どういったものをどう
形づけていくのか注目していてほしいと思う。

つづく

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