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宮崎駿 by Yasman
2013年9月3日, 12:00 AM
Filed under: yasman

Blu-ray Disc Music「Before Meteor:FINAL FANTASY XIV 」は結果、ウィークリーチャート11位になった。もし途中で売り切れていなければ、10位以内の可能性もあったと思う。それでも、CDでないものが20年ぶりにアルバムチャートに入ったのだ。

スクエニさんの努力とチャレンジに感謝したい。今も「CDでも出して欲しい」という声は聞こえてこない。分かっていないのは、我々の方なのだ。今回、唯一「CDを付けて欲しい」といったのは店舗のある小売りだった。スクエニさんは「意味ないでしょう。」と一蹴したという。

さて、この間の続きです。ワンダーステーションの浜田さんから「アナログテープありますか?」と電話があった。「どうしたのですか?」と聞くと、宮崎駿さんが時代背景的にモノラル、しかもアナログで録りたいと言っているのでと言われ、驚いた。

ちなみに僕はバーニー・グランドマン・マスタリングという名前の下で個人的にATRアナログテープも輸入販売している。良いものは未来に残さないといけない。そういう思いで始めたプロジェクトだ。

モノラルの映画。センタースピーカーしか使わない映画なんて、それを聞いただけで、ぞわっと鳥肌が立った。驚く限りのクリエイティビティだと思った。調べたところ、御年72才ではないか。

何故だろう。どうして音楽業界ではこういった発想ができなくなってしまったのだろう。僕は、「サントラはどうなるのだろう。」「BDなどのパッケージはどうなるのだろうか。」と興奮した。 

サントラは聞いていないが、ステレオらしい。パッケージについては、まだ告知はない。

映画を初日に観に行ったうちのスタッフに聞くと「盛り上がりに欠けました。」と感想が返ってきた。それは、そうだろう。空を飛んでいるものが、真ん中で音がするのだから、と思った。

そんな予備知識がないから(それがどういった意味なのか)、余計に感性を揺さぶり感情を心に刻める。その感想を聞いて、僕はどきどきした。「早く観たい。」そして、深夜の時間帯に観に行った。

予告が始まる。大抵の予告はサラウンドなので、音場の広がりなどを聞いていた。モノラルになると、しょぼく感じるのだろうか。そして、本編がスタートした。 

最初は、台詞と効果音だけで音楽は重ならない。そして、音楽が重なり出して、度肝を抜かれた。「なんだ、この位相の良さは。」通常、僕たちが知っているモノはLとRから同じものが出るモノだ。 

1つのスピーカーから出るモノなど普通は聴けない。LとRを使うので部屋の状態で位相誤差が生じる。以前、エンジニアの牧野さんに「森川さんがビートルズを聴くのに、どうすればいいかと訊かれてる」と言われたことがある。僕はすかさず「蓄音機がいいです。」と答えた。 

一般家庭でモノのセッティングをするのは大変だ。ならば、蓄音機1台の方が良い。そんなことを思い出しながら、「すげー」と心に叫びながら本編に没頭した。

失礼な言い方だと思うが、僕は「72才のマスターベーション」と呼ばせてもらっている。それぐらい素晴らしい作品だ。事細かいクリエイティビティには、涙が出た。 

台詞の一つ一つに意味があり、共感してしまった。そう思っているうちに、これは堀越二郎ではなく、宮崎駿さん自身ではないのかと思えてきた。カプローニはウォルト・ディズニーで、「大切なのは、センスだ。」と彼に話をする。

太陽の王子ホルスを描いたとき、同じことを思っただろうと思った。セル画を何枚も描く中、白雪姫やシンデレラに勝てるのかと。まぁ、実際そんなことかどうか分からないが、「創造的人生の持ち時間は10年」という響きにドッキリしてしまう。

この意味が分かる人とそうでない人は見方が変わるだろうなと思った。 音楽BDを5年で11位にした。あと5年でできるか?と自問した。中でも号泣させられたのは、黒川さんが堀越チームの会議の勢いを見て「感動しました。」と服部さんと会話するシーンだ。ジーンときた。

昔はそうだったよな。皆、切磋琢磨していた。堀越二郎が何を美しいと思ったのかが気になって、1/32の零戦を二機買ってしまった。 九試単座戦闘機を作ろうと思ったけど売り切れで、初期の零戦二一型を作ることにした。 

作っていくうちに、そのフォルムの美しさに驚いた。鯖の骨ではない。どちらかと言えば「イルカ」に近い。ミレニアム・ファルコンやX-WINGなどを作ったが、あれでは飛ばない。やはり本物はすごい。

そして堀越二郎を感じる前にタミヤのすごさを感じてしまった。チョー、細かいよ。そして見逃してしまったことが1つあった。あの映画は、飛行機が飛んでいるのではなくて、景色が動いていたのではないだろうかと。

だったら音はずっとセンターでもいいわけだ。何かの特番で映像が流れているのを見たら、やはり景色が動いていた。参った。セルを書いている段階で、もはやモノにする気だったんだと思った。いやー、また観に行こう。 

「小人の法則」。最近、僕の中で小人の法則というのがある。この間のことだ。HMVの知り合いと食事をする機会があった。話をしているうちに彼が「ヤスマンさん、いまカラオケに行けば、トップ10のうち8つがボカロですよ。」と言った。

僕が「当たり前じゃないですか。」と言ったら、どうしてかと聞かれたので、「小人の法則です。」と話した。

ある日、大きい種族は小人と戦わないといけない日が来る。そして、小人と戦うにはその世界に入って戦わなければならない。大きい種族は自らを圧縮して小人に戦いを挑む。ただ、圧縮してしまった為に自分の力が20%になってしまった。 

そして100%の力で向かってくる小人と戦いを挑む。結果は分かるように完敗だ。そこで生まれ、存在しているものと対等に戦うこと事態間違っているのだ。だから、8つがボカロなのだと話した。 

生の声や楽器、抑揚、感動、そういったものをそぎ取ってしまうと伝わらなくなるのだ。そして結果、そこで生まれたサンプリングされたものに負けてしまう。

自分が奏でているものをしっかり伝えることをしなければ、生き残れやしない。それを疎かにしている人、マーケットがこうだからと、そこに無力なまま連れて行く人があまりに多すぎる。多分、ボカロには勝てないだろう。

カモフラージュすることで良いところにはいくとは思うが、その答えはしばらく出ない。それでも、今、実験していることがあるので、答えが出たらリポートしてみたいと思う。

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