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ファイナル ファンタジーのBDM by Yasman
2013年3月1日, 10:19 AM
Filed under: yasman

年末に、ファイナル ファンタジーのBDM(Blu-ray Disc Music)オーケストラアルバムを仕上げた。

当初は2枚組のCDで発売するはずだったものを、CD発売せずにBDMで発売することになった。この決断をされたスクウェア・エニックスさんには感謝したい。そして、セールスもうまくいっているようだ。

その上にファンからの評判もよく、さすがゲームのファン層、新しい試みへの順応性は素晴らしい。これにはスクエニさんも、

「ここまで素直に受け入れられるとは思わなかった。」と話していた。

スクエニさんの音楽事業部も、最初はかなり上からの批判があったようだが、デモディスクが出来上がり社内で見せたら、「ここはこうしたほうがよい。」などの意見が出だしたらしい。

「いまさら修正には遅いですが、社内評判はよいですよ。」と言われた。僕たちも自信があったので、「どうだ」という気持ちではあったが、少し安堵した。

僕が知るかぎり、CDを発売しないというのは、ここ四半世紀で初めてのことではないかと思う。その勇気を讃えたい。

本当に短い制作時間でこれだけのものを作れたのは、携わったすべての人の情熱のおかげだと思う。アマゾンのレビューを観ると、ものの見事に、気に入っている人とメディアの違いを全く意識もせず内容を評価している人もいるぐらいで、本当に喜ばしい。

中には映像ものと思って購入した人もいたようで、この辺のマーケットの調整はこれからの課題だ。当初は20曲程度だったが、フル・オーケストラもの23曲とオリジナルゲーム音源を24曲、96K/24bitで収録して合計で3時間10分。

CDであれば、3枚もしくは4枚組のボリュームになった。それを1枚で聞ける素晴らしさは音楽のメディアとして理想的だ。レコード時代、誰もがベートーペンの第九を最後まで途切れずに聞きたいと思いCDがそれを可能にした。

一つの作品として構成されるべきものが分かれているのは、作品の持つパッションを損なうものだと思う。だから作品として構成したい。

音も途切れるのが嫌だったので、サンプリングレートも同じにした。ゲーム音源に96Kが必要なのかと言われているのも耳にするが、多くの理由は音楽をまたがった時にレートが違うとアンプのほうが切り替えられてしまい、クリックノイズになると思ったからだ。

今回はオリジナル音源を収録しているので、オーケストラを聴いたり、原曲を聴いたりする人がいるだろうと思ったので、そういう仕様にした。

そして写真集も入れたかったので、それも収録して、プロモーションビデオやドキュメンタリーの映像ものも収録した。こうすることによって、音楽の背景が伝わると思ったからだ。

オーケストラを聴き、写真集を見て、またオーケストラを聴き直すと全く違って音楽が響いてくる。ドキュメンタリーを見て、またオーケストラを聴くと違って聞こえてくる。

イメージをインプットするごとに感覚が大きく左右される。 五感を使うからこそ楽しめる素晴らしい部分だ。曲を伝えることは音楽だけではない。ばかばかしいスベースバーを叩くことでもない。

気持ちに溶け込んでこそ、アーティストが奏でたものが伝わるんだと常々思っている。そして、今回大きく改善したのは、ディスクからMP3のデータをローカルLANを用いてダウンロードできるようにしたことだ。(これについては次月詳しく話をしよう。)

ネットを使わないために、どこそこから課金されることなく、手持ちの端末にコピーができる。しかもローカルLANを使っているので、転送速度に左右されることもなく、データを移せる。

アマゾンのレビューの中には、WAVやFLACをいれて欲しいという希望があった。これも可能だが、今回は96/24から320kのファイルを作った。2時間以上あるファイルでも、5分ほどでダウンロードができる。

そして再生しても「これならば」というレベルにあると思う。しかも今回は、ローカルLANが使えない人用に、ネットダウンロードも3ヶ月間だけ用意した。ただ、こちらは128kのファイルにした。それでも123MBもあるファイルなので、インターネットではそこそこかかってしまう。

レビューの中にはブルーレイは聞かず、ファイルを落として娘たちが楽しんでいるという話もあった。皆が楽しめるものを供給する。これこそ制作者の醍醐味ではないだろうか。

曲に歌詞があるものには歌詞表示をし、曲を聴きながら楽しめるようにディスコグラフィーも少々付けた。

あるプロデューサーが言っていたが、今やテレビをみると文字が表示されるのが当たり前になっている。それに慣れてしまった今、文字がでないと伝わらないものがたくさんあると話していた。

僕は「確かに」と思い、歌詞表示の重要性を再認識した。なんせ「レ・ミゼラブル」という洋楽を見て、泣いているのだから。サブタイトルが与える重要性がわかると思う。

今回、発売前に3日間、銀座のソニービルで視聴会を開催した。初日には植松先生と僕との対談なども催された。60人ぐらいはいたと思うが、その中でローカルLANを持っていないのは1人だけだった。

CDが発売されないので、誰も44.1kと96kの聞き比べができないと思い、会場で聞き比べをしようと思い、CDを作って聞き比べを試みることにした。

あまりみんな興味がないだろうなと思っていたが、ふたを開けるとびっくり、みんな興味津々に聞き入って、その違いに驚いていた。(こちらはその驚きに驚いたけれど。)

会場で音調整のために流したときには、スタッフからレベルが違うと言われたが、全く同じレベルとEQにした。96/24と44/16では音像が2周りほど違うので、レベルが違って聞こえるのだ。

これはシステムがよくなるごとに大きくなるし、小さいシステムでもしっかりわかる。
3日間でたくさんの人が会場を訪れて、BDMを楽しんだと聞いている。

年末には相変わらず、カウントダウン・ジャパンに行ったが、31日はファイナルファンタジーの国際フォーラムのコンサートでBDMの物販を手伝った。自分が制作に携わったものを販売するのは楽しい。

制作している人は、一度は作ったものを実際に販売してみるべきだ。何が作品の売りなのか、それがファンの求めているものなのかがよくわかると思う。そして手応えも、手落ちも感じると思う。

販売しているうちにファンと話をして、作品についてどう思ったか、うまく使えたかを聞いてみた。みんなこうなったことを喜んでいたし、全く何が発売されたのか知らない人もいた。

1つ1つを丁寧に説明していくことが大切で、興奮してもらうのだ。開場が17時なのに、1時半から販売をして3時前には200を完売してしまい、すごい手応えを感じた。

開場前には品物がないという残念な話になってしまったが、幕張には早めに入れた。実際にはものがなくなるという事態になり、年明け20日までは品不足がつづき、やっと改善されたようだ。

一時は販売価格より高い値段が付き、アマゾンで販売されていた。もし知らなければ、購入してみてほしい。よくできていると思うし、希望が持てるはず。

ただ雨が降るのを祈っていても、雨は降らない。祈らず、水が出るまで穴を掘ろう。ショベルが折れて、スコップになって、素手になるかもしれない、でも掘り続ける。スクエニさんはこれからも続けていくといわれているし、次回作はもっとすごいことになると思う。 HOPE SET HIGHT, DIG A HOLE, KEEP DIGGING ON. .

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