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Before Meteor:FINAL FANTASY XIV by Yasman
0201年8月20日, 12:00 AM
Filed under: yasman
Blu-ray Disc Music「Before Meteor:FINAL FANTASY XIV 」が、先週8/14
発売になった。僕がこの業界に入って20年近くになるが、ここまで「こういっ
たディスクを作りたかった」と思ったことはない。だから、自分の最高傑作と
位置づけている。
 
 
もう20数年前、まだレーザーディスクが全盛だった頃、「Now XX」とか
いったタイトルのPV集があった。その当時、音楽メディアは将来こういった
形になればよいのにと、よく思ったものだ。 
 
 
当然LDなので音声はアナログ。その音がもっと良くなって、映像も楽しめて、
音楽も楽しめるものが出ればよいのになぁ、と思っていた。だが、結果、そんな
ことは起こらず20年も経過してしまった。
 
 
そして今回、自分で納得できて、ファンの人が絶対に喜んでくれるディスクを
作ることができた。この背景には、スクウェア・エニックスさんのセンスと
チャレンジがあった。
 
このBD MUSICを始めて5年が経過した。音楽業界の中、いろいろな人に理解を
求めたが、中々皆腰が重く、CDが大好きなようだ。2年程前だったろうか、
どこかのTVの特番で「栃木県那珂川町のふぐ養殖」の話をしていた。 
 
 
あまりTVなど観ないのだが、たまたまついていた番組に見入ってしまった。 
それは、その町の温泉水を利用して「とらふぐ」を養殖する話だった。 
 
 
最初は農協など、町からは一切相手にされず、最後には養殖を成功させ、
町の農産物と掛け合わせて料理を出し、町おこしをするというストーリーだ。  
町のJAの会長も、「今ではふぐの話をしないことはない。」とご満悦だ。
 
 
その横で野口さんという、事業を成功させた人は少し苦笑いになっていた。
多分あれだけ反対されたのに、という思いがあったのかもしれない。 
そして、番組最後にリポーターが野口さんに「どうして成功できたのか?」
と訪ねたら、彼はこう答えた。
 
 
「改革的なことをするには3つの要素が必要です。1つ目は、馬鹿者。それは
海も無い所でふぐを育てようなどと言いだす僕です。2つ目は、若者。農林
水産大学から若い研究者が研究の為に来ていて、いつも活気づき、新たな目標
持ち努力してくれています。
 
 
3つ目は、よそ者。山口県からふぐのプロを呼び、養殖やトラフグの味、質
などの知恵を頂いています。この3つが揃わないと、どの時代も改革は成功
しません。」素晴らしい意見だと思った。
 
 
確かに、大政奉還を唱えた江戸の馬鹿者と、若き土佐の獅子、そして幕府の目が
届きにくかった薩摩のよそ者。この3つが揃わなければ明治維新はなかった。
それからその言葉を胸において行動することにした。 
 
 
自分にとっての若者とよそ者を探してみようと思った。当然、馬鹿は自分以外
あり得ない。音楽業界ではない世界の人達を巻き込みたいと思っていたら、
スクエニさんと仕事をする機会がありBD MUSICの話をしたところ、興味を
持っていただき、遂にFINAL FANTASY ORCHESTRAL ALBUM」で実現した。 
 
 
以前にも説明したが、これがCD発売以来30年間で、CDを発売しない始めての
作品になった。その結果、10,000枚以上売れたこのアルバムはスクエニさん内
でも評判になり、こういった形であればもっとこうしたほうがよいなどとの
声が上がった。 
 
 
そのアイデアと共に今回「Before Meteor:FINAL FANTASY XIV 」が出来上がっ
た。実は、これほど素晴らしい作品になるとは想像も出来なかった。 
僕には、以前から成し遂げたい2つの事柄があった。1つは、「配信では出来ない」
ことをする。もう1つは、「CDドライブがなくても、携帯ディバイスに
転送できる」仕組みを作る。2つ目の仕組みは、前作FINAL FANTASY
ORCHESTRAL ALBUMで既に達成している。
 
 
今回の「Before Meteor:FINAL FANTASY XIV 」は全104曲、6時間半に及ぶ大作だ。
CDにすると8枚になる。これを96KHz/24bitの高音質で、1枚に収めた。 
これだけでも凄いと思うのだが、104曲の曲順がほぼ決まった時点で、
「ゲームユーザーはこういう具合には聴かない。」という声が上がったらしい。
 
 
ゲームは、ある国を選んで、その国が自分の故郷となりゲームを進行していく。
そして別の国で冒険したり、また故郷に戻ったりするわけだ。その時に流れる
音楽は、国ごとに設定されていて、その国でしか聴くことが出来ない。
 
 
だから、「国ごとのプレイリスト」が欲しいと言われた。なるほどと思い、
その制作にあたった。出来上がってみるとその完成は、想像を超えるものだった。
104曲の曲順とは別に、あるテーマに依存する曲が存在するのだ。
 
 
こんなことをしたのは長い音楽の歴史でもこれが初めてだろう。「それが?」と
いまひとつピント来ていない人に説明すると、例えば12曲の「春夏秋冬」という
アルバムを作っているとする。アップテンポの夏の曲を1曲目にしてほしいと営業から
言われている。そして、3曲目にはタイアップ曲を入れて欲しいという話だ。
 
 
アーティストは春から始まり、冬で終わりたいと思っている。BDMでは12曲の
コマーシャル的な曲順と、アーティストが望む、「春」、「夏」、「秋」、「冬」
という順のプレイリストを別に組むことができる。
 
 
そして、入れるかどうか悩んでいた、「秋」っぽいアコースティックの曲を
「秋」のプレイリストに加えた。いつもは曲間を長めにして付けている、
根拠のないボーナストラックを、しっかり作品の中に埋め込むことができた。 
 
 
作品のテーマをしっかり生かしたもうひとつの曲順も存在できる。こういっ
た、曲がテーマに依存する作品が作れるのだ。これは、アルバムの「作品」と
しての完成度を上げ、パッケージ事態の付加価値を付けることになる。
 
 
これを配信で表現しようとしてもできるわけがない。「Before Meteor:FINAL
FANTASY XIV 」はそんな作品になっているのだ。 
これを視聴したゲームプロデューサーさんは、「これが、俺の欲しかったサントラだ。
これからは、ずっとこれでいくぞ。」と言われたそうだ。
 
そして14日に発売された本作は前日の13日には既にネット上で売り切れ、
14日に店頭でも売り切れた。14日のオリコンアルバムデイリーチャートで見事2位になり、
15日も3位だった。そして商品が品切れになり、チャートからは消えてしまった。
 
 
お盆ということもあり、ジャレードも動いていない。ゲームのサントラがこれだけ
反応が良かったのは、Twitterのフォローを見ていてこう思った。
 
 
曲1つ、1つに思い入れのある人。MP3が簡単に取り出せることに利点を見つけた人。
アートワークにワクワクした人。トレーラーに興奮した人。プレイリストが素晴らしいと
思った人。本当に幅広い意見をいただいた。
 
 
そして、こういったディスクだからこそ、多種多様のライフスタイルにあった
楽しみ方が出来るのだと思った。最終的に、チャートがどうなるかは分からないが、
僕の目標は早くから達成できた。 
 
 
これがサントラだけで終わってしまうのか、別のアーティストに飛び火するのかは
まだ分からないが、是非アーティストの人達や制作者の方はこの作品を視聴して
音楽のイマジネーションを膨らませてほしい。
 
 
「センスが大切、技術はあとからついてくる。」
映画「風立ちぬ」で堀越二郎がカプローニに「僕たちは技術が何もないのに達成
出来るだろうか」と尋ねる。 
 
 
カプローニは「大切なのはセンスだ。技術は後からついてくる。」と返す。 
本当にその通りだと思った。 すべては、そこからだ。
 
 
ある日、ワンダーステーションの浜田さんから「アナログテープありますか?」と
電話があった。次回はこの話と「小人の法則」の話をしよう。
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